宮重法律事務所

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交通事故の問題の概要について

ここでは、交通事故に遭われた方が、加害者に対し、請求できる項目のうち、比較的、よく問題になり、また、知っておくと、不利益を被ることが少ないと考えられる項目について、ご説明いたします。重要性の高いものから順に、説明を加えていきます。

傷害慰謝料(交通事故)

傷害慰謝料については、弁護士に依頼すると増額できる可能性がかなり高い項目になります                

ここでは、事故で被害に遭われた方が、治療期間等に被った精神的苦痛を慰謝するための慰謝料について、入門的にご説明いたします。なお、このほか、さらに交通事故により、後遺障害が残った場合は、これに対応する後遺症慰謝料を別途請求できます)

この傷害慰謝料の計算の仕方は、弁護士に依頼された場合は、裁判上で用いられる慰謝料算定基準によって、加害者側の保険会社と交渉するのが通常で、交通事故によって負った怪我の程度に応じて、さらに、慰謝料算定基準が区別されています。

例えば、自車が停止中に、加害者運転車両に追突され、いわゆるむち打ちとなった場合で、頚部のヘルニア等の客観的な画像所見が認められるまでには至っていないような場合で、被害者の方が、週2~3日程度、3か月間、病院に通院されたような場合だと、裁判上で用いられる慰謝料算定基準によれば、慰謝料は53万円程度となります。自賠責保険(強制保険。車検のたびごとに、強制的に更新される扱いになっています)に慰謝料を請求した場合、

上記の事例だと、3か月分の日数(90日)×4200円=37万8000円となります(もっとも、上記の事例で、3か月間の実通院日が、45日未満の場合は、実通院日数の2倍の4200円を乗じた金額が支払われることになります。例;実通院日40日*2倍*4200円=33万6000円が、自賠責による支払額となります。

加害者が、任意保険(通常、1年ごとに、契約更新の手続きが必要なものです)に加入している場合は、任意保険会社が提示してくる慰謝料の基準は、当然、上記の自賠責の慰謝料の算定基準を下回ることはないですが、裁判上で用いられる慰謝料算定基準のとおり、提示してくることは、かなり稀なケースと思います。

相談者の方の中には、弁護士に依頼したら、相手から支払われる損害賠償額が、実際に増えるのかどうか、気にされる方が多いですが、少なくとも、傷害慰謝料に関しては、実際には、増えるケースの方がかなり多いと思います。

上記の説明は、むち打ち事例を前提にしたものですが、例えば、交通事故による怪我で、骨折のような傷害を負った場合は、裁判上用いられる慰謝料算定基準では、上記のむち打ちの事例と区別した取り扱いがなされており、請求できる慰謝料額は高くなります。

例えば、前述したのと同様に、被害者の方が、週2~3日程度、3か月間、病院に通院された場合だと、裁判上用いられる慰謝料算定基準によれば、慰謝料は73万円となり、むち打ちの事例(53万円)と比較すると、金20万円程度、認められる慰謝料額が、高くなっていることがわかります。

休業損害について(交通事故)

休業損害については、会社員の方は、勤務先からの休業損害証明書を取得することになります。自営業者の方は、収入の証明が難しい場合は、自賠責の1日5700円の支払基準によった方がよい場合もありまwす。主婦の方は、女性の平均賃金によりますが、休業割合の認定が争いになることがあります               

他方で、通院期間中については、交通事故直後はともかく、ある程度、症状が落ち着いた段階になると、3割を上回る休業割合を認定してもらうのは、難しい事例が多いように感じられます。また、症状の程度によっては、通院した日のみ、休業損害が発生したと裁判所で認定される事例もあります。

ちなみ、自賠責の取り扱いによれば、主婦の方の場合、通院実日数に5700円を乗じた金額を主婦の休業損害をして認定する取り扱いになっています。なお、自営業者の方の休業損害の認定に関する自賠責の取り扱いとしては、仮に、その自営業者の方の営業利益が少なく、日額の所得が、4000円程度であっても、実際の入院日数と通院日数の日にちの合計に、最低5700円の日額単価を乗じ、自営業者の休業損害を認定して、自賠責保険金を支払っているようです(ただし、治療費や傷害慰謝料等の他の損害項目と合算して120万円の支払限度額が設定されているため、上記5700円×治療日数(入院日数+通院実日数)で計算した金額の全額について、必ず、自賠責保険から回収できる訳ではありません。

任意保険会社との示談の交渉段階では、任意保険会社は、自営業者の交通事故前の所得が明確でない場合、自賠責の支払基準に準じて、5700円×治療日数(入院日数+通院実日数)で算出した金額を、休業損害の額として和解提案してくるケースも少なくないと思います。

仮に、裁判になった場合は、裁判所は、あくまで、事故前の実際の収入(所得)に基づき、休業損害を認定しますので、裁判で認定される休業損害の額が、上記の自賠責の支払基準によって算出した額を下回る可能性もあります。

仮に、被害者の方が、任意保険会社の提示してきた和解案を拒絶して、裁判で、慰謝料や休業損害を請求する場合は、上記のとおり、休業損害の額が、任意保険会ここでは、交通事故にあわれた方に、治療のための休業損害が発生した場合の取扱の具体的な内容についてご説明いたします。

(会社員の方の場合)

交通事故によるケガの治療で、入院し、勤務先を休んだとか、通院で、会社を半日休んだ等の場合に認められます。通院に要した時間自体は、半日程度でも、交通事故により負った傷害による症状がひどいため、会社自体は、丸1日休まざるを得なかったという場合にも、1日分の休業損害が認められるケースがあります。

会社に勤務されている方は、勤務先で休業損害証明書を作成してもらえば、基本的に、その内容のとおりの休業損害の発生が認定される可能性が高いと思います。

ただし、傷害の程度と比較して、休業した期間・日数が、長すぎると判断されるような事例では、加害者側の保険会社や弁護士により、休業損害証明書に記載の休業日数に基づいて計算した休業損害の額の相当性について、争われる可能性もあり、裁判所が、そのような場合に、加害者側の反論の一部ないし全部を相当と認める場合もありうると思います。

この休業損害については、被害者の方が、有給休暇を使用して、治療を行った場合にも、加害者に対し、その分の休業損害を請求できることになっています。

(自営業者の方の場合)

被害者の方が、自営業者の場合は、休業損害証明書のような書類が出ないため、休業損害の認定は、会社員の方と比べると容易ではありません。

まず、休業損害の請求のためには、事故前の収入(所得)を証明する資料を、加害者側(ないし保険会社)に提示する必要がありますが、客観性の高い資料として、交通事故の前の年の確定申告書と決算書が、資料とされることが多いと思われます。もちろん、客観性の高いものであれば、事故の直前3か月から6か月程度の期間の収入(売上)と経費を証明できる資料でも、休業損害を証明する資料とできる可能性もあります。

また、休業期間・日数についても、入院期間中は、全面的に休業したと認められることはほとんど問題がないと思いますが(もっとも、この場合でも、例えば共同の自営業者が、頑張って営業を続けて、売上も利益も全く下がらなかったような場合に、どの程度休業損害を認定できるかという問題は生じる余地はあります)、通院期間中は、どの程度の日数と割合の休業損害の発生を認定するかという点で、被害者と加害者との間で、言い分が対立する可能性が高くなります。

この点で折り合いがつかない場合、最終的には、裁判で、妥当な休業損害を認定してもらうほかないことになります。

なお、自営業者の方の休業損害の認定に関する自賠責の取り扱いとしては、仮に、その自営業者の方の営業利益が少なく、日額の所得が、4000円程度であっても、実際の入院日数と通院日数の日にちの合計に、最低5700円の日額単価を乗じ、自営業者の休業損害を認定して、自賠責保険金を支払っているようです(ただし、治療費や傷害慰謝料等の他の損害項目と合算して120万円の支払限度額が設定されているため、上記5700円×治療日数(入院日数+通院実日数)で計算した金額の全額について、必ず、自賠責保険から回収できる訳ではありません。

任意保険会社との示談の交渉段階では、任意保険会社は、自営業者の交通事故前の所得が明確でない場合、自賠責の支払基準に準じて、5700円×治療日数(入院日数+通院実日数)で算出した金額を、休業損害の額として和解提案してくるケースも少なくないと思います。

仮に、裁判になった場合は、裁判所は、あくまで、事故前の実際の収入(所得)に基づき、休業損害を認定しますので、裁判で認定される休業損害の額が、上記の自賠責の支払基準によって算出した額を下回る可能性もあります。

仮に、被害者の方が、任意保険会社の提示してきた和解案を拒絶して、裁判で、慰謝料や休業損害を請求する場合は、上記のとおり、休業損害の額が、任意保険会社の提示した金額より、最終的に裁判所の判断より下がる可能性がないかどうか、仮に下がる可能性があるとしても、他の慰謝料等の項目の増額により、補える程度かどうかという点にも注意して、対応の仕方を検討する必要があることになります。

(家事労働者)

家事労働者の方の、交通事故による休業損害をどのように認定するかも、難しい問題です。

家事労働者の場合は、休業損害算定の基礎となる収入については、女性の全年齢の平均賃金をもとに計算するのが、通常で、これによって計算すると、1日当たり、1万0211円(平成27年の資料によります)となります。

問題は、どの程度の日数と割合によって、休業損害を認定するかですが、これも具体的な症状経過と治療期間中の生活状況に応じて、個別に判断するほかなく、一律な割合の決定は難しい問題です。

もちろん、主婦に方についても、入院期間中は、家事を全面的に休業したとして、入院日数に、前述した1万0211円を乗じて、主婦の休業損害を認定することは、問題ないと思います。

他方で、通院期間中については、交通事故直後はともかく、ある程度、症状が落ち着いた段階になると、3割を上回る休業割合を認定してもらうのは、難しい事例が多いように感じられます。また、症状の程度によっては、通院した日のみ、休業損害が発生したと裁判所で認定される事例もあります。

ちなみに、自賠責の取り扱いによれば、主婦の方の場合、通院実日数に5700円を乗じた金額を主婦の休業損害をして認定する取り扱いになっています。

治療費(交通事故)

治療費については、加害者側の保険会社で内払に応じてくる場合も多いですが、内払がない場合には、健康保険や労災給付の利用を検討することになります      

 交通事故による治療費については、加害者側が、任意保険に加入している場合は、任意保険会社から、通常、治療費を、治療先の医療機関に直接支払う扱いになることが、多いと思われます。

 医療機関は、毎月、月ごとの診断書と診療報酬明細書を、保険会社に送付し、保険会社は、報酬明細書に記載の治療費を、病院に直接支払う扱いにすることが多いと思います。

 もっとも、交通事故の態様によっては、怪我をされた方の過失の方が、加害者側の過失より、かなり大きいと判断されるような場合もあり、このような場合には、加害者側の保険会社は、被害者の治療先の病院への治療費の内払を拒絶することもあります。

 そして、このような場合は、被害者の方が治療を受ける場合は、健康保険を利用して、治療を受けていただくことになります。その後、健康保険を利用した際の、窓口負担部分(3割が一般と思います)について、加害者に請求していくことになります。

 このように、怪我をされた方の交通事故における過失が、加害者と比べて、大きいと判断される場合、加害者の加入している任意保険に請求するより、加害者の加入している自賠責保険(強制保険)に、請求した方が、回収額が増える可能性もあります。

 なぜなら、自賠責保険は、被害者の交通事故における過失割合が、7割以上と認められる場合でも、傷害を負ったことによる治療費等の損害額については、7割の減額ではなく、請求額の2割のみ減額して支払う扱いになっているため(もっとも全体の支払限度額は、96万円になります)、例えば20万円の治療費がかかった場合に、交通事故における被害者側の過失が、7割の場合は、本来、まともに、加害者側に請求すれば、3割の6万円しか回収できないところ、自賠責の扱いは、2割の減額にとどめているため、8割の16万円の回収が可能となるからです。

 ただし、自賠責のもともとの総支払限度額は、120万円で、2割の減額処理がなされる場合は、96万円以上の支払いは受けられないため(治療費のほか、休業損害、慰謝料、通院交通費等を合算したものです)、これについても、注意が必要です。 

 また、通勤途上での交通事故の場合は、労災の給付を受けることもでき、この場合は、健康保険と異なり、自己負担部分もないため、自分の方が、過失が大きいかもしれないと思われる場合は、労災の利用も検討した方がよいでしょう。なお、労災は、休業補償給付もありますが、実際の休業損害額の6割が、休業補償給付で支給され、他に、2割分が、特別支給金として給付されるようです。

  治療費については、前述のとおり、保険会社が、内払いに応じてくるケースも多いですが、一旦、内払いに応じても、例えば、むち打ちで他覚的所見がないような場合には、事故発生日から3か月~6か月程度経過した時点で、治療の終了を、打診してくることも少なくなく、また、これで折り合わない場合には、治療先の病院への内払の継続を拒絶してくるようなケースもあり、そのような場合に、被害者として、治療を継続したい場合は、保険会社の内払いが終了して以降は、健康保険を利用して、治療を継続することが方法としてあります。

 このような場合、病院に対し、保険会社の内払中止後も、症状は固定しておらず、引き続き、治療継続することを、はっきりと伝える必要があります。稀に、病院が、保険会社の内払中止時を、症状固定時期と判断し、そのような記載をカルテにしたり、診断書に記載するケースもなくはないためです。

また、柔道整復師、整体師の施術を受ける場合も、その費用については、交通事故との相当因果関係を争われるケースもあるため、注意が必要です。

保険会社も柔道整復師等の施術費用の内払いに応じることは、ケースバイケースで、それほど稀ではないものの、特に、自費で、施術を受けて、後で、請求しようとするような場合は、必ずしも、その費用が、交通事故と相当因果関係があるものとして、常に認められるとは限らないためです。

柔道整復師や整体師の施術を受ける際は、少なくとも、病院のリハビリ治療を平行して行った方が、後で、施術費用の請求も認められやすいと考えられます。

他方で、病院の治療をほとんど行わず、一定時期以降は、もっぱら、柔道整復師や整体師の施術を受けていたというような状況になると、その費用について、交通事故との相当因果関係が認められにくくなる傾向はあると思われます。

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