宮重法律事務所

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労災給付、健康保険利用のメリットについて(交通事故の治療費について)

交通事故における被害者の過失割合が大きい場合は、労災や健康保険の利用を検討してみましょう               

ここでは、治療費の支払いについて、加害者側の保険会社から、支払いを受けるのではなく、健康保険を利用したり、通勤災害等で、労災給付を受ける場合のメリットについて、説明いたします。

加害者が、交通事故において一方的に過失があるような場合には、健康保険を利用したり、労災給付を受けることに、メリットはありませんし、このような場合には、加害者側の任意保険会社が、被害者の方の治療先の医療機関に、直接、治療費を支払うという扱いをするのが一般ですし、仮に、被害者の方が、労災や、健康保険を利用されたとしても、特段、メリットはありません。

他方で、被害者にも、例えば、5割程度の過失がある場合に、加害者側の保険会社から、治療費の支払いを受けた場合と、労災給付を受けた場合とでは、結論にどのような差がでるでしょうか?

  加害者側の保険会社から、治療費30万円について、直接支払いを受けた場合

労災給付の療養給付により、治療費30万円の支払いを受けた場合

 

治療費 30万円 30万円
通院慰謝料 50万円 50万円
休業損害 10万円

10万円

合計 90万円 90万円
過失相殺額(5割) 45万円 45万円
過失相殺後残 45万円 45万円
治療費30万円の先行払いによる控除 30万円

15万円

先行払い分控除後の請求可能額 15万円

30万円

 

上の例では、交通事故の被害者に過失5割があって、治療費が30万円かかった場合について、加害者の保険会社から、治療費の支払いを受けた場合と、労災給付(療養給付)を利用した場合とで、最終的な、請求可能額に15万円の差が出ているのが分かります。これは、費目拘束などと呼んでいるもので、療養給付という名目で、交通事故の治療の費用に充てるために給付されたものである以上、他の慰謝料や、休業損害の項目には、充当すべきでないという考えによるものです。ですから、労災の療養給付として、治療費分30万円の填補を受けていても、交通事故の治療費以外の項目には、影響しない範囲で、充当されることになります。これに対し、加害者側の保険会社から、支払いを受けた場合には、このような制限はなく、損害の全額を過失相殺した残額全体に、治療費として支払った部分も充当されることになります。ややこしいですが、結論的には、被害者の方において、事故の過失割合について、自分の方の過失も少なくないと考えられるような場合には、労災の利用にも、メリットがあることになります。

 次に、同様に健康保険を利用した場合は、どうなるでしょうか

  加害者側の保険会社から、治療費30万円について、直接支払いを受けた場合

健康保険利用の場合(治療費30万円のうち自己負担3割9万円)

 

治療費 30万円 9万円
通院慰謝料 50万円 50万円
休業損害 10万円

10万円

合計 90万円 69万円
過失相殺額(5割) 45万円 34万5000円
過失相殺後残 45万円 34万5000円
治療費30万円の先行払い(健康保険は21万円の保険給付)による控除 30万円

0万円

先行払い分控除後の請求可能額 15万円

34万5000円

 

健康保険については、過失相殺前に、給付が行われた損害費目から、控除するという考えが取られているため、上記の交通事故の治療費の欄の右側では、既に、保険給付分の清算後の金額を掲げることになります。一見すると、最終的な請求可能額が、労災の療養給付を利用した場合より、有利に見えますが、被害者は、もともと、窓口負担9万円を支払っていることを考えると、実質的には、25万5000円が、請求できることになり、やはり、労災利用の方が、被害者に有利になりますが、それでも、加害者側の保険会社から、支払うを受けるよりは、有利になります。

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