宮重法律事務所
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加害者側の任意保険会社が判明しない場合、まず、ナンバープレートの記載をもとに、車検証の記載内容を調べ、その後、保険協会等に、当該加害車両についての保険契約の有無と内容について、回答を求めることになります。
交通事故で被害にあった際、加害者側が、事故の過失や賠償責任を争うなどして、被害者側に、加害者側が、加入している任意保険の有無や、加入している保険会社の社名を回答しないという状況はしばしばあります。
多くの場合、弁護士に依頼し、代理人として、加害者側と交渉するような段階に至れば、加害者側も、さすがに、任意保険会社に窓口になるように依頼し、加害者側が加入していた任意保険会社の社名が明らかになることが多いです。
ですが、被害者側に弁護士が代理人として窓口に立つような段階に至っても、どうしても、加害者が、自分の加入している任意保険会社を明らかにしない場合もありえないわけではないでしょう。
そのような場合に、被害者側としては、加害者側の任意保険契約の有無や、その保険会社の社名について、調査する方法はあるのでしょうか。
保険協会に、回答依頼すると、加盟の各保険会社から、個別に、弁護士会に保険の有無等について回答がなされるようです。
加害車両の任意保険契約の有無については、弁護士照会という方法により、弁護士会から、一般社団法人日本損害保険協会に対し、加害車両の、登録番号や、車名、型式、車台番号、原動機の形式、所有者氏名、住所、使用者氏名、住所、使用の本拠を特定し、その車両についての、保険契約の有無と契約内容の詳細について、回答を依頼する方法があります。
加害車両の車台番号や、所有者の氏名、住所等は、車検証の内容を確認しないと、通常判明しないものですが、これについても、ナンバープレートの記載内容をもとに、弁護士照会の方法によれば、車検証の記載内容について、該当の運輸支局から、回答を取得することができます。
いずれにしても、被害者個人の方が、このような調査をするのは困難と思われますので、弁護士に相談されるようお勧めします。
自動車共済の有無等の回答依頼先は、保険協会ではなく、共済協会になります。
以上は、株式会社である自動車保険会社の加害車両についての自動車保険の有無と内容と調査方法ですが、自動車保険と同じ性格を有する自動車共済契約(JAの自動車共済等)の有無やその内容を調査する必要がある場合もありえます。
この場合は、社団法人日本共済協会に、加害車両の自動車共済契約の有無とその内容について、前記の自動車保険契約と同じ要領で、弁護士照会の方法により、回答を依頼することになります。
加害者側が、自動車保険の利用を拒絶している場合でも、被害者は、加害者の加入する保険会社に、賠償請求額を、直接、請求できる権利が認められますが、加害者から被害者への賠償金に支払いを命ずる判決の確定等が条件となっています。
ところで、上記の弁護士照会の方法により、加害車両の加入する自動車保険契約の有無やその内容は判明したとしても、加害者側が、保険の利用による被害者への賠償金の支払いを拒否するような場合も想定されますが、このような場合には、どのような対処が適当でしょうか?
これについては、自動車保険契約においては、被害者が、加害者に損害賠償請求権を取得した場合には、加害者側の自動車保険会社に、その請求権の金額を、直接請求できることを認めています。
ただし、保険契約においては、被害者の直接請求に応じる条件として、加害者と被害者との間で、判決が確定したとか、裁判上の和解が成立したとか、書面による示談が成立したことを要件としているため、訴訟による解決を選択するような場合には、加害者個人に対する請求と並んで、加害者の加入する保険会社も被告として、損害賠償請求訴訟を提起し、保険会社に対しては、加害者に対する損害賠償請求権に基づく請求を認める判決主文が確定することを条件として、保険会社にも同額の支払いを求める訴えを提起するのが一般的な方法となります。