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交通事故における過失割合(丁字路交差点の突き当り路から、右折進行した車両と右折先の対向車との事故)   

交通事故における過失割合(丁字路交差点の突き当り路から、右折進行した車両と右折先の対向車との事故)

丁字路交差点(同幅員)での突き当り路からの右折四輪と右折先道路から対向直進者車両の出合い頭衝突事故の基本過失割合、70対30です。           

丁字路交差点において、突き当り路から、交差点を右折進行した車両と右折先からきた直進車両との間の事故の過失割合については、四輪車同士の場合は、わざわざ十字路交差点とは別に、丁字路交差点における事故を前提として、別冊判例タイムズNO38【139】等の類型が定められており、

基本過失割合(交差道路の幅員に差がない場合)については、

突き当り路からの右折車両の過失割合が70%、

直線路の直進車両の過失割合が30%

と定められています。

交通事故の過失割合(丁字路における突き当り路からの右折バイクと右折先の対向直進四輪の出合い頭衝突事故)

丁字路交差点(同幅員)で、突き当り路からの右折バイクと右折先道路から対向直進車両との出会い頭衝突事故の基本過失割合は、十字路交差点を前提とする【192】をそのまま適用して50対50とするより、丁字路交差点の【139】を1割右折バイクに有利に修正し、右折バイク60%、直進四輪40%の基本過失割合とした方が、丁字路の直線路の優先性を考慮した結果になり、妥当になる可能性が高いと考えられます。            

上記のような事故形態は、四輪車同士に限らず、四輪車とバイクとの間でも、発生しうるわけですが、この場合には、四輪車同士のように、わざわざ、丁字路交差点を前提とした過失割合の類型は別冊判例タイムズNO38には掲載されていません。

結局、この点について、丁字路交差点における単車と四輪車との事故については、別冊判例タイムズNO38【191】~等の類型を参照しつつ、四輪車同士の【139】~等の各基準を単車に有利に修正して適用することとなろうとの記載があります(同書338頁)

例えば、上記の同じ状況で、同幅員の丁字路交差点において、単車が、突き当り路からの右折車で、四輪が、右折先からの対向の直進車両であるとすると、十字路交差点を前提とする【192】をそのまま適用できるとすると、

右折単車の過失割合は50%、

四輪の過失割合は50%とされています。

しかし、他方で、【139】を参照して、単車に有利に修正するという考え方を採用し、有利な修正の程度を1割とすると

右折単車の過失割合は60%

四輪の過失割合は40%と考える余地もあります。

【192】は、十字路を前提にした基準であり、十字路を直進している車両と

丁字路の直線路を直進している車両とを比較すると、丁字路の直線路を直進している車両の方が、

優先性が高いように考えられます。

これは、十字路交差点における交差道路からの右折車両と直進車との事故の過失割合を定めている 【115】において、直進車両の基本過失割合を40%と定めているのに対し、

丁字路交差点における突き当り路からの右折四輪と、直線路の直進四輪との過失割合を定める【139】において、直線路の直進車両の基本過失割合を30%と定めている内容をみても、

十字路を直進する四輪と、丁字路の直線路を直進する四輪とでは、丁字路の直線路を直進する四輪の方が、交差する道路(丁字路の場合は突き当り路)からの右折車両に対し、1割程度、優先性が高くなることを示していると考えることができます。

そうすると、丁字路交差点の直線路の直進四輪と突き当り路からの右折バイクとの基本過失割合を考える場合には、十字路交差点において直進車両の優先性をそれほど考慮していない【192】をそのまま適用して、直進四輪の基本過失割合を50%とするより、【139】を参照して、単車に1割程度有利に修正して、直進四輪の過失を40%、突き当り路からの右折バイクの過失を60%と考える方が、妥当な結論となる可能性が高いように思われます。

一般的な取り扱いとしても、四輪同士の事故と四輪とバイクとの事故では、四輪同士の事故と比べて、1割程度バイクに有利な修正がなされる場合が、少なくなく、典型的には、交差点における直進車と対向右折車両との事故の場合で、この場合には、四輪同士の場合は、直進車両の過失2割、右折車両の過失8割【114】の基本過失割合とされるのに対し、これが、直進四輪と右折バイクになると、直進四輪の過失3割、右折バイクの過失7割【190】の基本過失割合をされ、バイクであることによる有利な修正は1割となっていることが分かります。

これを、丁字路交差点の突き当り路からの右折バイクと直線路の直進四輪との関係に置き換えると、【139】を1割、バイクに有利に修正し、突き当り路からの右折バイクの過失割合6割、直線路の直進四輪の過失4割とするのが妥当となる可能性が、やはり高いように思われます。

 

 

 

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